自分と一体になってしまった丸ペン軸

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NHK『プロフェッショナル』で、浦沢直樹先生が紹介されていた時、丸ペン1本で仕上げていると話しておられました。
丸ペンであれだけの強弱ある線を書こうと思えば、筆圧が結構必要なんですよね。肩はこるし、腰も痛いし。
相当、ご苦労されているだろうな、と番組を見ながら思いました。

特に誰かのマネという訳ではありませんが、私も丸ペンのみで書いています。
Gペンを使うと、ものすごい太い線になってしまいます。それだけ無意識のうちに手に力を込めているのでしょうか。
少女マンガなどの繊細な線を、いつもうらやましく思って見ています。

それはそうと、使っている丸ペンの軸は、私が小学生の時に購入したものです。
丸ペン軸
田舎の町に、1軒しかない書店。丸ペン軸なんて、他に誰も買う人はいませんでした。
書店のおばさんも「あんたが買うと思って、仕入れておいたよ」と言ってくれたのを思い出します。
それほど、マンガを書くのに熱中していた時がありました。

ただ、小学生の手には、丸ペンは馴染まなかったですね。
書いても書いても紙を削って、線がにじむのです。
だから、どちらかというとカブラペンを使うことが多かったですね。

以来、20年以上が過ぎ、今でもそのペン軸は私の手の中で活動しています。
というか、こうなってくると他の軸が使えないですね。手になじみすぎていて。
自分と一体になっている、というか。
すべての苦楽を共にして来た旧友のような、……懐かしい思い出が、ここにすべて封じ込められているような気がします。

他の人から見たら、バカみたいな話ですけどね。

今夜も、カリカリと丸ペンが原稿用紙を削る音がしています。

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